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テレビを見ていた。
画面のなかでは下着姿の中年の男がなんとも奇妙な踊りを披露している。
なぜ下着姿になろうと思ったのか。
なぜ踊ろうと思ったのか。
なぜ男の奥にいるたくさんの人間たちはそれを見て笑っているのか。
――分からなかった。
ただ、刺したかった。
針で、刺したかった。
その男の膨らんだ丸い腹にぷつり、と細い針を刺してみたくなった。
針が、皮膚を貫く。
空気が抜け、腹がどんどん萎んでゆく。男の身体は腹から噴出される空気の勢いによって空をくるくると回って上昇する。
そして、空気が抜け終わるとその身体は一旦空中で静止した後、地面へ急降下、叩きつけられるのだ。
ぐしゃり、とトマトのように潰れるのか。
砂袋のようにどしゃり、と無機質に着地するのか。
それともゴム鞠のようにぽおおん、と跳ね上がるのか。
――分からなかった。
だが、楽しみである。
どんな着地の仕方なのか、至極楽しみである。
裁縫箱から針を取り出したところで、画面のなかの人間を刺すのは不可能だということに私は気がついた。
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