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起きる。
スウィングジャズが流れる店内でどのくらいの間、寝ていたのか。
それを確かめるスベを私は、持っていない。
私の腕時計はいま、反時計回りに時を刻んでいる。
冷めてしまったコーヒーをのぞく。
泥水みたいなその水は、麻薬のように私を呼んでいた。
ひとくち。
口の中に流し込む。
一瞬、満たされる感覚がした。一瞬。
やっぱりこの苦い水は、麻薬なのかもしれない。
壊れた時計は、ぐるぐると狂ったように。左回りをくるくると。
そのうちネジがはずれてしまうかもしれない。(……あれ?ネジを緩めるのは反時計回りで良いのだっけ?)
泥水をまたひとくち飲む。
茶色い水面ではどこかで見たことのある人が揺れていた。
はて。
この人は何番目の男の人だったか。
思い出せない。
麻薬が、頭を侵食しているのだ。だから、思い出せないのだ。
ゆるゆると、私の頭は収縮する。
くるくると、時計は過去へと旅行する。
ゆらりゆらりと、泥水が全てを汚した。
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