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昨日、今日、拍手くださった方々ありがとうございます!やる気むくむく。
本日は登場回数が非常に多いmadoraです。這いつくばって床を舐めるサリステンさんとか好きすぎるmadoraです。こんばんは。
2周年企画、第2弾は「ミドリ」です。
これはめっちゃ最近に書きました。最近っていうか、一昨日です^^^^^
なんか殺し屋とか情婦とかいう単語が飛び交ってるけど、ほのぼのものだと私は信じています。
そして、続きをちょっと書きたくなったりしてます。殺し屋の坊や好きすぎる。
歳のいった情婦を多く、好んで抱いた。母親を求めているとか変態趣味とかそういったものは無い。ただ後腐れが無くて楽なのが多かったからだった。でも、乳房の、弾力のない柔らかさは好きだった。あれは下着を取ると、すぐにほろほろとなんの頼りもなく手の中に崩れ落ちてくるのだ。それが好きだった。だから俺は年増の女を抱いた。
其れ故、俺にとってミドリとの出会いはそう不自然なことではなかった。ミドリは、四十を過ぎた、酷く痩せ細った女だった。安い金色のドレスを身に纏った姿はまるで乞食が襤褸切れを着ているのと同じだった。でも、胸だけはあったから俺はミドリを買い、抱いた。
「ねえ」
事が終わったすぐあと、煙草を吹かしながら、ミドリが言った。
「夢ってある?」
「ユメ?」
「ええ、夢よ」
俺は鼻で嗤った。
「下らないな」
「そう」
ミドリは美人ではなかったが、口元のやらしい女だった。
「私はあるわ」
そんな、分厚く色情に溢れた唇からそういった類の言葉が発せられたことに、俺は少なからず、驚いた。
「どんな夢か、気になる?」
「……興味、無いな」
俺がそう言えば、嬌声のような音を出してミドリは笑った。
「とんだ正直者ね」
ミドリはルビーレッドの爪で煙草を灰皿に押しつける。
「それじゃあ、殺し屋の坊や」
薄汚いシーツの海から身を起こしたミドリは、豪奢な額をつければ裸婦像として高く売れそうだったし、MとCとYで印刷した適当なゴシップ雑誌の広告にもなりそうだった。そして、この近くのゴミ捨て場に適当に放り投げられているあの、死体のようでもあった。
「私が、あなたの夢を考えて―――」
「黙れ」
「あら、どうして?」
「帰る」
俺は財布から紙幣を数枚引き抜いて、その豊満な胸に押しつけた。
「とっても、素敵なことなのに」
「五月蝿い。興醒めだ」
俺は、薄いトタン板の扉を荒々しく閉め、赤錆だらけの階段を喧しく降り、酸っぱい匂いが蔓延する小路に出た。すると、
「世界平和!」
振り返れば、今にも崩れ落ちそうな二階のベランダから、ミドリが身を乗り出している。
「私の夢よ!」
シーツを裸体に巻き付け、西洋絵画の女神のような格好で。
「そして」
子供のような、満面の笑みで。
「あなたの夢!」
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