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07.17
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04.08   comment (0)
短いです。すいません。そして話進むの遅い。これ、十までいくんじゃね?って感じです。
私的にもサイト方針的にも五ぐらいで終わらせたいんだがなあ。
 
どうでもいいけど、「到頭」っていう変換が出ません。「TOTO」って出てきます。トイレメーカーの名前よりも漢字変換の集録を増やそうよ……。
漢字変換、本当に面倒臭いです。
でも紅花は漢字変換多めにしないと、全然時代感が出ないんだ。というか漢字変換だけで誤魔化している感が否めない。
そろそろ本気で時代設定を定めないときついですねーどうしましょーか。出来ることなら戦争のにおいが未だしない頃か薄れた頃が良いなーと思ってます。戦時中の設定で萌え目的のもの書くのは自分的に許せないので(でも読むのはオッケー)。

あ、ちなみにまだホモ臭くないです。




大通りと迄はゆかないものの人の通りがそれなりにある道の角を左に曲がって、突き当たりに立つ古色蒼然とした彼の店が見えた時、私は到頭、走り出した。

「蕪木!」
裏に回ることさえも忘れ、店の側から大声で彼の名を呼んだ。
「蕪木!」
私は茶葉の入った引出しやらにぶつかり乍ら、奥の方へと進んだ。草履などは放る様に脱ぎやって、家の中に上がり込む。私は片端から襖という襖をバタバタと開けて、彼の姿を探した。
「蕪木!」
私が彼を漸く見つけた場所は土間だった。
彼は其処で鉄瓶をぶら提げて、ゆらり、と立っていた。
「騒がしいぞ」
此方を振り返り、いつも通りの表情でいつも通りに太々しい科白を吐く彼の頬は、少し痩けていた。
それでも私はほっとして、思わず其の場に崩れ落ちた。
「何をして居るんだ」
私はその問いに応えを返さず、彼を見上げながらただ荒い呼吸を整えた。彼は怪訝な顔で私を見下ろしていた。彼が右手に持った尾垂の鉄瓶からは湯気が上がっていた。丁度、湯が沸いた頃だったのであろう。私は襖に半ば寄り掛かる様にして訊ねた。
「何を、飲むんだい」
彼の生業は、茶葉問屋だ。だから彼の家には常時多種多様な茶葉が置いてあって、其れらを彼は「売る側が売り物の味を知っておくのは義務だ」等と適当極まり無い理由を付けては、大して金がある訳でも無いのに値の張る茶をしょっちゅう啜っている(しかし私もその茶を彼と一緒に啜っている身分なので、非難したりはしないのだ)。
「何が良い?」
私は少々驚いた。今までこの家で何度となく様々な茶を飲んできたがその様な事を訊かれたのは初めてだったからだ。此れは愈々彼は奇怪しくなってしまっているのかもしれない、と頭の隅で思いながら、私は「ほうじ茶が良い」とだけ答えた。
これから何某かの大事があろうとも、一息つきたかった。
私の喉はからからに渇いていたのだ。


あとがきというかなんというか
襖に寄りかかって息を荒げる滝口を後ろから蹴倒してなじったらどれほど楽しいだろうか、とか考えながら書いてました。楽しかったです。

 

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