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07.21
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07.24   comment (0)

また急に始まって急に終わる。しかも今回は何が楽しいのか全く分からない。ただこういうくどくどした何が楽しいのか全く分からない文章をだらだら書くのも楽しいもんです。今回は携帯でかちかち打ったやつです。なので漢字変換がとても怪しい感じです。
まあ、そんなこんなで、 「幸い」 スタートです。





 さりとて、己は長男で或る。ただ、長男と云うだけで或る。その他の兄弟よりも僅か数箇年早く生まれたと云うだけで或る。
 時に、其の些細な違いによって世に数多溢るる、人々が長男と呼ぶ男達は実に多くの事に捕われて居る。黴の臭い立ち込める牢獄に捕わられて居る。大抵の場合、彼等は其処から逃れられないであろう。胸に宿る、健全かつ美しい彼等の情が解放を放棄と捉え、邪魔をする所為だ。また、その素晴らしい情を苦難の末に漸く打破した者、若しくは、其れを元来に持って居なかった者が、彼の牢獄から逃れ得たとしても、其の先で待ち構えているものは蕩々たる大地や広大な蒼空等では無く、新たな黴臭い監獄で或る。其れ等の鉄の檻とは、畢竟すれば、下らぬ因習と云うものに他なら無い。
 己は其れを理不尽なものだと思う。此の時世、齢や生まれに関係無く真に優れた能力を持つ者が成功をおさめることが出来得る此の時代に、他の弟達より早く生を受けたなどと云う些事を重視し其の者を一生逃れられぬ檻の中へと押し込める考えとは、実に理不尽で或ると思う。
 牢は古臭く、黴臭い。
 然し、己は其れに対して嫌悪の念を抱きはし無い。理不尽とは思うものの、嫌悪はし得ないので或る。何故ならば、己は長男と云う身で在りながら、未だ嘗て其の鉄の檻と云うものに捕えられた事が無いからで或る。
 己の父親と云う人は、仕方が無い程に革新的な男で或る。アウトロウとも言えるであろう其の人は、己が理不尽と思った其れを陳腐の一言で片付けて路傍に投げ遣る様な男で或った。其の為、己は世の長男達を捕えるものに捕われる事無く、広大な大地の上に立ち蕩々たる蒼空の下で息をして来たのだ。だから己は其の檻を第三者の目から見て、理不尽と思うので或る。だから己は其の檻を当事者として、嫌悪する対象として見る事が出来ないので或る。
 つまるところ、己は大変幸運な者であったのだ。
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