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「どうすれば女心をガシッと掴めると思う?」
そう訊いてきたあなたに、
「私の心は既に捕まってる」
と、
言えるはずも無く、
無理やりな笑いでやり過ごす午後の教室。
掃除当番。
2月13日。
(チョコが欲しいっていう魂胆が丸見え)
黄色いモップの先には、積もりに積もった埃と想いのカタマリ。
机の足に絡まるのは、髪の毛とため息。
むかしむかし、おくすりとよばれた、チョコレート。
それを飲んで浮気症が治るというのなら、いくらでも作ってあげましょう。飲ませてあげましょう。
だけれど、
2月14日のチョコレートというものは特別で、
男の人を狂わしてしまうのです。
まるで毒薬。
茶色の苦い海に溺れてしまいます。
(あほくさ)
青い果実はすっぱくて。
私は自分が青いと知っていて。
ロッカーに溢れるパイ生地。
黒板消しについた粉砂糖。
何もかも、
「くだらない」
モップについた塊を、指先でつまんでゴミ箱に捨てる。
青い実が茶色の海にぽちゃり、 沈んだ。
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視線の先は天井。
平らに広がる無機質。
白だ。
白に圧迫されている。
白が世界を塗りつぶしている。
(あ、)
それに耐えきれなくなり、目をそらす。
そらした先には管。
手やら鼻に繋がるチューブ。
透明だ。
透明に生かされている。
透明が世界を接続している。
(い、や、)
それに耐えきれなくなり、手をゆっくりと動かす。
動かした先には管。
無駄に命を引き伸ばすチューブ。
それを思い切り、引っこ抜いた。
瞬間、暗転する世界。
無機質な電子音が遠ざかり、広がる闇。
黒だ。
黒に包括されている。
黒が世界を包み込んでいる。
(嗚呼、)
体が意識が魂が、沈んでゆく。
沈んだ先にも闇。
全てをのみ込む黒。
(嗚呼、なんて、)
「うつくしい、いろ」
手を、伸ばす。
そこには何もないというのに、
その動作は何も生まないというのに、
私たちは手を伸ばす。
まるで空気を掴むように。
まるで雲に縋るように。
まるで空に恋い焦がれるように。
私たちは手を伸ばす。
だが、
何も手に入りはしない。
何も助けてくれはしない。
何も答えてくれはしない。
でも、
私たちは手を伸ばす。
ただ、
何かを待ち続けるように、
私たちは、
手を、伸ばす。
ぱたり、
読み終えた本を閉じる。
「文字は読まれてはじめて、言葉になる」
いつかの誰かの言葉を反芻し、あたりを見回す。
図書館
にほん中、せかい中の文字たちが集まって「わたしを言葉にして」と語りかけてくる。
「ごめんなさい、」
あなたたち全部を言葉にするのには、私の一生は短すぎる。
でも、
いつか、あなたたちそれぞれを言葉にしてくれる魔術師がきっとあらわれる。
だからそれまで、
「どうか、朽ちないでいて」
鐘が告げる、夕刻。
「お嬢さん、閉館時間ですよ」
いま、
言葉が文字へ、文字が言葉へ、
朽ちゆく文字と、悠久の言葉と、
そう、
物語はきっとあなたの心ではじまるの。
言うなれば君は、世界の中心。
言うなれば僕は、世界の端っこ。
ねえ、君はいま幸せ?
君の幸せを考えているとき、
僕は僕の幸せなんてこれっぽっちも考えてないんです。
「自己犠牲なんて馬鹿みたいなことしないで」
君はそう言うのだけれど、
僕はそんなことこれっぽっちも考えてないんです。
ただ、
僕と君どっちが大事かと訊かれたら、
迷わず「君」と言うだけで。
僕は馬鹿だから、
それ以上もそれ以下も全く考えてないワケで。
ただ、
ただ、
君が好きなだけなんです。
僕自身のことはどうでもよくなってしまうくらい、
君でいっぱいなんです。
もうこれってあれですよね、
言わば、
「愛」
ってやつ。
ねえ、だから、
そんな顔しないでください。
そして おねがい、
幸せになってください。
さようなら。さようなら。
ありがとう。さようなら。